オフビートカウントで英語リスニングを極める
オフビートカウントを練習すると英語のリスニング能力が向上します。これはオフビートカウントを行うと、英語を聴き取る事に必要なリズム認識型を習得することの助けになっているからだと考えられます。オフビートカウントは、これまでがむしゃらに練習する以外に何の指針もなかった英語等々の発音聴き取り練習に、一定の指針を与えてくれます。
オフビートカウントと音韻学の一致
オフビートカウントは、我々が音楽活動をする上でぶつかる様々なリズム上の問題を合理的に説明してくれる非常に良いツールです。 オフビートカウントは、グルーヴという得体の知れない音楽的現象を感覚的に理解する大きな手がかりを与えてくれるでしょう。
まず、どんなにオフビートカウントで悪戦苦闘している人でも、カウントに必要な全ての発音を順番にひとつひとつ練習し、頭子音・末子音のリンキングに注目して特に侵襲的末子音(Intrusive Consonant) を含めて丁寧にリンキングを練習すると、即座にオフビートカウントが出来るようになります。 これは音韻学的に見ると、シラブル拍の発音練習に当たります。 ─── これが1つ目の弱拍先行です。ここではシラブル拍弱拍先行 と呼びます。
そして同時にオフビートカウントは、音韻学的に言語発音上のストレス拍リズムを数字上で体現したものになっています。単層オフビートカウントの上で、多層弱拍先行オフビートカウントを練習することで、グルーヴ能力を身につけることができます。多層弱拍先行は音韻学的に見ると、ストレス拍の発音練習に相当しています。
2つの等時性(Isochrony) をオフビートカウントによって鍛錬する
ストレス拍リズム等時性リズム認識 とシラブル拍リズム等時性リズム認識を同時の2つの等時性は、しばしば同時に持っていることが求められます。英語の方言を聴き取る為には、この2つの等時性を同時に持っていることが求められますし、またジャズなどのアメリカ伝統音楽を演奏する為にもこの2つの等時性を同時に持っている事が求められます。
漠然とリスニング練習や耳コピ練習を行ってもこれらのリズム認識型を習得する事は、とても困難です。しかしオフビートカウントを理論的に分析すると、この2つのリズム認識型を同時に働かせる作用があることがわかります。 オフビートカウントを行う作業の行程には、この2つの等時性リズム認識型にはっきりと意識を向ける必要が生じる為、オフビートカウントがこの2つを身につける為の練習法としての応用できることが期待されます。
オフビートカウントは、その他のシラブル拍言語 ─── フランス語やスペイン語のリスニング能力が向上することが期待されます。 オフビートカウントには 頭子音最大化原則(MOP=Maximize Onset Principle) に意識を向ける作用があるからです。
同時に英語のリスニング練習の効果を持っていることも期待されます。それは 頭音節最大化原則(MPOP=Maximal Prosodic Onset Principle) を働かせる作用があると考えられるからです。
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